ブリーダーが出荷前に行うべき健康管理

ブリーダーの取引相手はペットショップ、オークション主催企業といったペット業界のプロの場合もあれば、一般家庭の飼い主に直接販売するケースも増えています。子犬、子猫の取引、売買においては一般的に引き渡し後の健康管理責任は購入者にあるとされています。しかしたとえ引き渡し後であってもブリーダーの全ての責任が免除されるという事ではありません。健康管理を徹底することはブリーダー自身の信頼につながり、子犬、子猫の付加価値にもつながる大切な取組みです。

ブリーダーが引き渡し前に行うべき健康管理

子犬、子猫は生後50日前後から徐々に取引が始まります。まだまだ未成熟な状態で引き渡しが行われる上に、離乳のストレスで引き渡し後に体調を崩すことも少なくありません。犬猫の伝染病には空気感染、接触感染、ストレスと様々な発症原因があり、潜伏期間も差があることから事前の確定診断や予測は非常に困難ですが、引き渡し前に最低限済ませておきたい健康管理があります。

①耳内の汚れ、悪臭

②肛門周りの汚れ、ただれ

③目ヤニ

④咳

⑤下痢

⑥嘔吐

⑦発熱

⑧食欲不振

⑨歩調の乱れ

⑩脱毛

⑪かゆみ

日々の生活の中で気になることがあれば、都度動物病院を受診し検査を受けましょう。食欲元気がある状態であれば、動物病院で検便検査と触診、視診、聴診での簡易的な検査を受けるだけでも十分です。

咳をしている場合、初期であれば一週間程度抗生物質を服用させれば完治させる事が出来ます。ただし水状の緩い便、嘔吐、鼻水などの症状がある場合重篤な伝染病に感染している可能性があるのでパルボウイルスやジステンパーの為の専門の検査を受ける必要があります。犬舎、猫舎から出荷される犬猫の健康状態はブリーダーの信用に直結します。最近ではインターネットを通じて飼い主へ直接販売する手法を選択するブリーダーも増えていますが、健康管理を怠り引き渡しを行ってしまうことでインターネット上に悪評が広まる可能性もあります。プロ同士の取引であれば許容範囲であり、適切な処置が可能な軽度の症状でも一飼い主を相手には同じ様に進まないこともあります。引き渡し前に健康状態の管理と確認が多少の費用が生じても万全を期すにこしたことはありません。

引き渡し後の健康管理と責任問題

子犬子猫は引き渡しの時点ではまだまだ未成熟で中には、完了したと思えた授乳期間がまだ不十分であったというケースも多々あります。親元では元気一杯に過ごしていたものの、親から離れた途端に体調が急変するケースもあります。引き渡しのストレスから様々なケースが想定される事をブリーダー自身が理解、引き渡し相手にもしっかりと説明する必要があります。

また犬猫の先天性疾患の中には成長の過程で明らかになるものも多々あります。生後間もない引き渡しの時点では予測が出来ない疾患も多々あります。この時ブリーダーの製造者責任を問う声もありますが、このような申し出に関する対処法は事前に考えておく必要があります。動物愛護法にも販売後のブリーダーの責任に関する記述があるので販売にあたって事前に詳細を確認しておきましょう。もちろん販売時の説明にもこの内容をしっかりと説明する事が大切です。