ブリーダーとペットショップの取り引き条件とは

ブリーダーの仕事は好きなことを仕事に出来る、かわいい子犬、子猫に囲まれて暮らせると夢が膨らむものです。可愛い子犬、子猫であればすぐに引き取り手が見つかると考え開業する方が多く見られますが、実際の取引、子犬子猫の買い取りはさほど甘いものではありません。

開業前に、買い取り基準について学んでおく必要があります

20年程前に日本でチワワやミニチュアダックスの爆発的なペットブームが起きた時、ペットショップの店頭は子犬が足りないという状況になり、自家繁殖ブリーダーが急増しました。ペットとして飼育している自身の犬に交配をさせ、誕生した子犬をペットショップに持ち込み買い取りを依頼すると取引はとても手軽で、時には数十万円もの利益が生まれる事もあり社会現象にまでなりました。

安易に高額な利益を生むことが出来る仕組みはやがて過剰な多頭飼育や飼育崩壊、保健所への持ち込みなどを急増させ、様々な問題を引き起こしました。

この異常な状況は世界各国からも非難を浴びる程になり、その後動物愛護法の制定が進みました。

結果的には、安易なブリーダー業の開業を抑制し、子犬子猫の取引にも様々な制約を課せることになりました。合わせて販売者であるペットショップにも様々な責任を明確化し、健全なペット業界へと舵をきったのです。

現在では、販売を目的とした飼育、繁殖には開業にあたって自治体への届け出が必要になり、正式な認可を受けた業者でない場合はペットショップやネット仲介業者も取引や掲載を行わないという方向性で統一されつつあります。

大手と呼ばれるペットショップや子犬子猫の販売を仲介するネットサイトでは下記のような取引条項を設けています。

①自治体から正式な開業許可を得ている

②健康管理、衛生管理が徹底されている

③販売後一定期間の補償制度を設けている

④先天性疾患が見つかった場合はブリーダーが責任をもって引き取り、終生飼育をする

⑤繁殖にあたって血統や交配の内容に虚偽がない

これらの内容は概ねブリーダーが負う責任の度合いが大きくなっています。企業によっては非常に厳格な基準を設けていることもあり、予定していた取引が不成立となることも珍しくありません。

子犬、子猫を繁殖するという事は、機械製造とは違い精度を人工的に高める事は出来ません。一定数の先天性疾患や売れ残りのリスクが伴う事は重々承知しておく必要があります。

実際にあった取引上のトラブル

ブリーダー業を開業する前には想像もできないようなトラブルや悩み事をいくつか挙げてみましょう。

①ペットショップと子犬の取引をしたものの、取引後2カ月以上経過してから先天性疾患を理由に返品をされた

(この場合、生後半年近くたってから犬舎に返品をされ、再度の販売も出来ず犬舎で飼育をする事になった)

②インターネットの仲介サイトを通じて子犬を販売したものの、販売後2週間で子犬が死亡してしまい、販売代金の返金、補償を求められた

(個人顧客との直接取引の場合、販売後も飼育指導や健康問題など接点を持つ必要が生じる事もあります)

③血統証付で販売をしたものの、血統ないに近親交配があることが判明し、トラブルになった

(犬の交配において近親交配は珍しい事ではありませんが、場合によっては遺伝上の疾患が生じる事もあります)