ブリーダーによる繁殖の注意点

犬猫の繁殖はとてもデリケートな仕組みで、医学書や専門誌に記載がないものの交配時に注意をしなければならない組み合わせがあります。これらの注意点はブリーダーや専門家の長年に渡る経験に基づく内容が多く、新規で開業をする場合、新たに取り扱いを始める犬種、猫種については先輩ブリーダーからのアドヴァイスをぜひ受け入れましょう。

交配や繁殖に注意すべき犬の種類

犬の交配において注意すべき点は「毛色」の組み合わせです。子犬の取引価格が下落を続ける中で出来る限り付加価値の高い子犬を輩出したい、効率的かつ母犬に負担の少ない繁殖スケジュールを考えた場合、つい特殊な組み合わせを考えてしまいがちです。

具体的には

①プードルのレッド同士の交配

②ダックスのダップルカラー同士の交配

③極小サイズのチワワ同士の交配

④ブルーアイ同士の交配

などです。これらの組み合わせは場合によってはとても希少な毛色が誕生する事もありますが、反面先天性疾患や心臓疾患、虚弱体質、未熟児などが誕生するリスクも非常に高い事を覚えておきましょう。

また毛色によってはすでに血統証発行団体から繁殖に用いてはいけないと規定されている事もあります。この場合、誕生した子犬の血統証は発行されるものの両親のいずれかが繁殖不適切犬であることが明記されます。ペットショップとの取引や顧客への販売の際に十分な説明を行わないとトラブルになる可能性もあるので十分に注意をしましょう。

犬の交配の際は

①色素が濃すぎる

②色素が薄すぎる

③色素が不安定

のいずれもリスクがあります。

色素が濃すぎる組み合わせとは黒色の犬同士、レッドやブラウン(プードル)同士の場合です。このような場合、繁殖犬の一方を色素が薄い白やクリームに置き換える必要があります。

色素が薄すぎる組み合わせは、ブルーアイやピンク色の鼻などです。色素が不安定とは本来誕生するはずのない毛色が誕生した場合です。具体的にはダックスの白色(パイボールド)などです。付加価値を狙いすぎてしまうと、万が一先天性異常や取引規定に合わない子犬が誕生した場合のリスクが高まることをしっかりと考えておきましょう。

交配や繁殖に注意すべき猫の種類

猫は犬に比べ新種登録までの期間が短く、続々と新種が誕生しています。中でも胴長短足のマンチカンや折れた耳が特徴的なスコティッシュホールドなどが人気です。これらの猫種は非常に取引価格が高く、常に市場では頭数が不足している状態です。ただしこれらの猫種を交配させる時は、マンチカンは短足と長足で組み合わせにし、スコティッシュホールドは折れ耳と立ち耳とで交配をする必要があります。これは遺伝的観点からみた場合、劣性遺伝と優性遺伝とで組み合わせる必要がある為です。劣性遺伝同士の組み合わせは先天性疾患や未熟児などの輩出のリスクが高まり、その後の販売を考えた場合に不向きです。このような組み合わせで繁殖をした場合当然のことながら足長のマンチカンや立ち耳のスコティッシュホールドが一定数誕生する事になります。この点をしっかりと把握し、どのような販売方法を取るのかを繁殖にあたって事前に検討しておく必要があります。

排出した子犬、子猫はいずれ一般の飼い主の元へ引き取られます。末永く健康でいる事が出来るように交配、繁殖には十分な知識と経験が必要です。