ブリーダーに多い販売時のトラブル

ペットブームが落ち着きをみせ、犬猫の飼育頭数が減少傾向にある中で子犬、子猫の取引価格も最盛期の半額程度まで落ち込んでいます。ブリーダーが犬猫を飼育するための費用に大きな変動はないので、収入だけが半分にまで落ち込んでしまった事になります。このような背景を受け、ペットショップとの取引ではなく、インターネットを活用し購入者と直接やり取りをするブリーダーが急増しています。そのような取引の場で多く見られるトラブルについて事前に把握しておく必要があります。

インターネットを活用した直接販売

ペットショップやオークションでの取引を行わずに独自のHPや仲介サイトを活用し子犬、子猫を購入者へ直接販売をする場合、実は多くのトラブルが生じています。

直接販売のメリットは利益率が高い事です。ペットショップやオークションを利用した販売に比べ10倍以上の利益が生じる事も珍しくありません。その代わり、これまでペットショップが担ってきた役割をブリーダーが負うという事をしっかりと理解しておく必要があります。

具体的にブリーダーに生じる義務や役割は以下の通りです。

①購入者へ向けた宣伝活動

(子犬の出産情報、販売価格、アピールなどを積極的に行います)

②価格交渉や接客

(動物愛護法では、インターネットを活用し子犬、子猫を販売することを禁止はしていませんが、必ず対面販売の義務があります。その為、購入希望者が犬舎へ直接足を運ぶ機会も増えます。当然接客や価格交渉、犬舎の見学などの手間が生じます)

③飼育説明

(譲渡後の飼育方法の説明、体調不良の処置方法などの指導が必要です)

これらの内容はこれまでペットショップの店員が行っていた業務です。購入者はペットショップでもブリーダーでもほぼ同額の金額を支払うのですから、当然のことながらブリーダーからも同等のサービスを受ける事が出来ると考えています。特に飼育説明を怠ってしまうと販売後に様々なトラブルにつながることもあるので配慮が必要です。

具体的なトラブル例

ブリーダーが直接販売をする中で、多く見られるトラブルは下記の通りです。

①引き渡し後に、頻繁に購入者から飼育方法の説明について問い合わせがある

②購入直後に体調を崩してしまった、死亡してしまった場合の補償を求められる

③一旦は自宅へ連れ帰ったものの、返品の申し出があった

④現金一括払いの予定が、分割払いを申し出られ、最終的に全額の回収が出来なかった

⑤インターネットに名指しで悪評を書き込まれてしまった

などです。これらの行為はブリーダーを運営する上で必ず生じるといえるトラブルです。事前に同様の場面を想定し、対処策について或る程度の知識を持っておく必要があります。また引き渡し時は、必ず書面で販売契約を取り交わし、購入者希望での返品、返金には応じる事画出来ない旨をしっかりと確認しておく必要があります。

健康面に関しては、子犬、子猫によっては住み慣れた環境から離れる事で急激に体調を崩すこともある旨をしっかりと説明し、納得してもらう必要があります。万が一取引に不安を感じる時は、利益を先延ばしにする結果になっても取引を断る勇気を持つ必要もあります。