ブリーダーの乱繁殖による血統の乱れ

ペットの繁殖において乱繁殖という言葉があります。この言葉は、過剰で知識不足のブリーダーによる繁殖の結果、犬猫が本来持つ特性、血統証で定義された体形を無視した子犬、子猫が誕生することを意味します。このような問題は、日本のペットブームや繁殖業と深く関係していますが、最近ではこのような流れを改善しようという取り組みも盛んになっています。

ブリーダーによる乱繁殖の結果

犬には年に2回の発情期があり、猫は特定の発情期はなく妊娠中以外であればいつでも発情、交配が可能です。

その為、利益を追い求めるブリーダーの中には、犬に年2回の出産をさせる事や猫に年3回の出産をさせる事もあります。このような無理な出産を課すことで次第に母体は産後の回復を十分に出来ず、未熟児や先天性疾患を持った子犬、子猫の出産が目立つようになります。

また一度の出産で出来る限り多くの子犬、子猫が生まれるようにと母体により大柄な犬猫を選ぶブリーダーもいます。

例えば、本来3kgほどが血統証で認められている規定のサイズであるトイプードルの繁殖に、敢えて8kgもある母体を選ぶことがあります。この時、母体が大きいことが安全の効果があることもありますが、必ずしも多産であるという意味ではありません。また誕生した子犬は本来の規定サイズを大きく上回り大柄に生まれる事もあります。結果的には、子犬の付加価値が下がり、取引価格も下落することになりかねません。

また逆にティーカッププードルや豆しばという言葉があるように本来の規定値を大きく下回るサイズの子犬の輩出を考え、敢えて未熟児同士で交配をさせるブリーダーもいます。この時、誕生した子犬は健康面が非常に不安定で離乳までに相当な手間がかかる上に、無事に取引成立とならないリスクも高まります。

このように本来の規定値を無視した無理な交配は結果的には、ブリーダー自身の利益を損なう結果をもたらすのです。

交配を管理していないケース

ブリーダーの犬舎の中には、広い敷地内でオスメスを区別することなく飼育し、妊娠が確認できた時点で隔離をするという飼育方法を取っている犬舎もあります。このような飼育方法は猫のブリーダーにも多くみられる方法です。

このような管理方法は、犬猫の相性を合わせるためには効果がありますが、個々の健康管理、出産時期の管理、血統の管理という観点からは決して好ましい方法ではありません。

同じ犬舎内で飼育している場合、次第に近親交配の確率が高まることもあります。ペットの繁殖において近親交配という手法をあえて行いよりよい血統を輩出する、特定の特質をより強く出したいという手法はありますが、反面心臓疾患、四肢異常、未熟児などを産むリスクもあります。

犬舎、猫舎で飼育するすべての犬猫は、オス、メスを必ず区分して生活をさせ、交配における組み合わせはきちんと管理する必要があります。特定のメスにばかり出産の負担が掛からないように、産後は個別のエリアで十分な回復期を過ごさせることもとても大切なことです。健康で良質な子犬、子猫を輩出することがゆくゆくはブリーダー自身の評価につながり、信頼関係が構築され、好条件での取引に繋がります。決して目先の流行に追われることなく繁殖に取り組むことが大切です。