ブリーダーの最大の課題はリタイアした犬の飼育と経費

ブリーダーの最大の課題は出産可能な時期を過ぎた犬の飼育に関する問題です。

この期間を過ぎてからは子犬の販売による利益が見込めず、食費や医療費がかさむ一方です。しかしブリーダーには生涯飼育の義務があるので安易に飼育放棄をしたり、世話を怠ることはできません。

繁殖可能な期間を過ぎた犬の扱いについて考えておきましょう。

繁殖可能な期間以降に行うべき医療処置と予防策

犬は概ね3,4歳を目途に繁殖機能が低下し始めます。この時期を境に妊娠が出来なくなるという明確な区切りはありませんが、徐々に母体の体力は低下し始め無理な妊娠は先天性疾患や未熟児の誕生につながります。

ただ犬の寿命は平均で15年ほどですからその後の長い年数の飼育にかかる費用の工面は決して簡単ではありません。

繁殖を終える決心をした以降も下記の処置は必ず講じる必要があります。

・避妊去勢手術

・毎年のフィラリア予防

・年に一度の混合ワクチン接種

・狂犬病予防注射

中でも混合ワクチンの摂取は必ず行うべき項目です。伝染病は生後一年を超えるとほぼ発症することもなくなりますが、不特定多数の犬が暮らす環境ではいつ蔓延をするか油断が出来ません。

そのため犬舎内での蔓延を予防するためにも一見健康に見える場合でも必ず摂取しなければなりません。

早期に里親を探すことも検討すべき選択肢

繁殖をリタイアした犬、繁殖に適さない犬、相性が合わない犬など中にはまだ若く健康なものの繁殖という役目から離れる犬猫がいます。

このような犬猫は早期に里親を探し、一般家庭のペットとして新しい生活をさせてあげるという選択肢もブリーダーは常に念頭に置くべきです。

ブリーダーにとって犬猫は有償譲渡の対象であり、これまで飼育には相当な費用が掛かっているので、無償譲渡への抵抗を感じることもありますが、今後平均寿命を迎えるまでの長い間の飼育を考えると無償譲渡が必ずしもマイナスではありません。

無償譲渡を検討する、里親を探す方法は下記です。

・自社のHPで公開し希望者を募る

・地域情報誌に情報を掲載する

・SNSを通じて情報を発信する

無償譲渡を行う事で、有償販売の子犬子猫の売れ行きに影響が出るのではと懸念されがちですが必ずしも客層が合致するものではありませんので心配は無用です。

無償譲渡の場合でも引き渡しの際は必ず飼育説明を行い、先天性疾患や健康面の懸念がある場合はあらかじめ告知を行いお互いが納得できる形で取引を進めなければなりません。

犬舎の飼育可能頭数をしっかりと把握

ブリーダーの多頭飼育崩壊や不衛生な飼育環境、無計画な繁殖はたびたび社会問題としてニュースで取り上げられています。

このような問題は決して他人事ではなくいつどの犬舎での起こりうる問題です。

ブリーダー業の開業、運営にあたっては利益追求ばかりに関心を向けるのではなく、飼育している犬猫の健康や適切な生活環境の維持を第一に考え日々取り組むことが大切です。

それぞれの施設、人員には限りがあり自身の犬舎猫舎で飼育可能な頭数は常に把握し無理のない運営を心がけなくてはいけません。もし過剰に繁殖をしてしまった場合、犬舎猫舎を閉鎖したい場合は長期的な計画を立て問題改善に取り組むことが必要です。