ブリーダー業界が抱える深刻な課題3つ

テレビやネットを通じてたびたびブリーダー業界の内容が取り上げられます。どのような場合でもブリーダー業界の問題点を取り上げることが多く、社会的な批判を浴びる結果となります。

もちろんブリーダー業でも真摯に繁殖に取り組む方、ドッグショーで活躍をする方、使役犬の育成に力を入れる方が大勢います。しかしこれらの面はさほど話題にならず、問題ばかりがフォーカスされているのが現状です。この背景にはブリーダー業が長年抱え続ける深刻な問題が未解決のまま放置されていることが関係しています。多くのブリーダーが共通して抱える問題を解決することが出来れば、ブリーダーに向けられる社会の目も大きく変わるのでしょう。

リタイアした高齢犬の飼育の問題

多くのブリーダーが抱える問題にリタイアした犬猫の飼育に関する問題があります。リタイアとは出産適齢期を過ぎた犬猫、出産に不向きな犬猫という意味があります。つまりブリーダーにとって収益につながらないものの、飼育には費用が掛かるという問題が生じるのです。犬猫が出産可能な年齢は概ね3,4歳までです。しかし犬猫の寿命は15年前後と長いので、出産が不可能な期間の方が生涯においては長く続きます。これらの犬猫を生涯飼育するには膨大な費用が掛かる上に、犬舎設備の問題も生じます。必ずしも理想的な方法で里親が見つかる、余生が過ごせるとは限らないこともありこの問題はまだまだ解決策が見つかっていません。

飼育崩壊の問題

たびたびニュースに取り上げられる飼育崩壊という言葉があります。この言葉は飼育者が自分の経済的、人為的な許容範囲を超えて犬猫を飼育してしまい、結果的には自身の生活さえも立ち行かない状況に陥ることを意味しています。この問題がおこる背景にはペットブームに影響され人気犬種の飼育を始めること、リタイアした犬猫を飼育する経済的な目途が立っていないことが関係しています。犬猫の出産、子犬、子猫の売買に頼る経営は大変不安定なものです。流行の犬種、猫種は大変早いスピードで入れ替わりが起き、必ずしも収益につながりません。収益を負うばかりに飼育頭数を増やすことがかえって問題を深刻化させる事を理解し、長い目で犬舎猫舎の運営に取り組まなければならないのです。

衛生管理の不徹底に関する問題

ブリーダー業を営むうえでは数十頭の犬猫を飼育する必要があります。しかしこの仕事はし少人数で運営される事が多く、必ずしも掃除、衛生管理、健康管理が徹底出来るとは限りません。特に掃除の徹底は大変困難です。犬猫の糞便の処分を徹底しなければ近隣から悪臭に関するクレームがあがります。朝夕は一斉に鳴き声を上げるので騒音問題も起こります。十分な運動、散歩をさせなければ健康を維持することも出来ません。

全ての仕事を完璧にこなすことは大変難しいでしょう。かといってアルバイトを採用するほどの経済的な余裕もブリーダー業では難しいことです。

ブリーダーを仕事として始めるきっかけは誰もが犬猫への愛情を口にします。しかし数年後には飼育崩壊に陥ってしまうという現実があります。この悪循環を断ち切ることは簡単ではありません。しかし何等かの方法で解決策を見つけてゆかない限り、社会がブリーダーに向ける視線に変化が期待できないでしょう。