猫ブリーダーが繁殖した子猫の取引事情

猫は難しいしつけがいらない、散歩がいらないと都心部や単身世帯、共働き世帯などを中心に人気を集め、飼育頭数も増加傾向にあります。その反面、定番の猫種は取引価格が低迷しがちで、より珍しい猫種を追い求める傾向が強まっています。

猫専門のブリーダーの実状

猫の飼育頭数が増加する中で、猫専門のブリーダーを開業する方も増えています。猫のブリーダー、多頭飼いは犬と違いサークルやケージの設置が不要、散歩が不要と施設面での制約が少ないので自宅の一部を活用し開業することが出来ます。

しかし、実際に開業をしてみると収益面において想像と大きく異なっていたと感じることが目立ちます。

その理由には以下をあげる事画出来ます。

①猫の飼育に想像以上の経費が掛かる

②猫の交配が予定通りに進まない

③子猫の取引価格が想像以上に低い

中でも飼育経費は想像以上にかさむことを把握しておく必要があります。

飼育にかかる費用は以下の通りです。

①食費

②トイレ砂、用品

③予防接種などの健康管理

④子猫の血統書発行費用

自宅を活用し、猫の多頭飼いを行う場合、トイレなどの衛生管理、換気機能は一般家庭のものでは用が足らず専用の設備を整える事が望ましいです。猫のトイレは想像以上に臭いが強く、トイレで使用する猫砂も大量の場合処分費用が掛かります。

このような経費を補いつつ、収益を上げるには計画的な繁殖、飼育猫種の選定が必要になります。

子猫の取引価格と傾向

猫の飼育頭数は増える傾向にあるものの、ペットショップの店頭で販売される猫の取引価格は、まだまだ犬より低額な傾向があります。

アメリカンショートヘアーのような定番の猫種は、子猫の取引価格が1,2万円という場合もあり想像以上に低い取引価格となることも珍しくありません。

また一方でマンチカンやアメリカンカール、スコティッシュフォールドといった希少種で、テレビや雑誌に登場する機会の多い猫種の場合は取引価格が5~10万円と高額になることもあります。

このような実状の中で、新規で猫のブリーダーを開業する際に、希少種、人気種の飼育を検討する方も増えていますが、日本のペット市場は非常に流行の移り変わりが早く、人気猫種も一過性のことが多く見られます。その為、開業時は人気猫種であっても数年で取引価格が下落することも承知しておく必要があります。

また猫は純血種として認定されるまでに3世代にわたって同じ特徴を持つ事が認められることという決まりがあり、続々と新種が登場しています。その為流行を追い求めすぎると、かえって猫舎運営のリスクが高まります。

また子猫の取引価格は被毛の色によっても大きく変動します。同じ猫種でも毛色が異なるだけで倍以上の取引価格の差が生じる事もあります。猫の被毛の色は非常に多用で親猫の毛色と全く異なる色が誕生することも珍しくありません。つまり猫専門のブリーダーを開業した場合、安定した収入や予想を上回るほどの収益を期待することは非常に難しいと言えます。

より珍しい猫種を求める傾向

ペットショップやマスコミがより珍しい猫種を追い求める背景には、猫が犬ほど外見上の大差がない事が理由です。

猫は猫種によって多少の顔立ちの違いはあれど、体格には犬ほどの大差がありません。その為、誰がみても明確と思えるほどのインパクトがないと高額での取引が成立しにくいのです。このような流行やペットショップの都合に左右されず、信念を持ち猫専門ブリーダーの仕事に取り組むことが安定した猫舎の運営につながると言えます。