親猫とは適度な距離感が必須なブリーダーの立場

猫の飼育頭数が増加傾向にあり、ブリーダーとして新規開業をする方も増えています。

猫はしつけや散歩の手間がかからず、ブリーダーの役割は少ない様に感じます。でも決して簡単な仕事ではなく猫の習性を十分に理解しつつ接することが大切です。特に繁殖、出産の時期の猫は大変デリケートです。扱いには十分配慮する必要があります。

猫の飼育放棄を招くブリーダーの介入行為

猫への愛情が深ければ深いほど、日々の猫の世話に手をかけてしまいたくなるものです。特に出産を控えた親猫がいる場合、日々の体調管理はもちろんの事育児に関しても積極的に関与したいと考えてしまいがちです。

でも猫はたとえ数年も共に生活をする人間が相手であっても一定の警戒心を保ちます。これは猫特有の習性です。本来群れをなし暮らす習性をもっていない動物ですから、他動物と一定の距離を置くことは本能とも言えます。

例えば出産直後の子猫にブリーダーが触れたり、何度も様子を観察したり、授乳や排泄をうながうという行為を行った場合、親猫は目の前の子猫の育児を完全に放棄し、授乳でさえも拒むようになります。

しかしブリーダーがあえて子猫に触れず親猫に全ての世話をさせた場合、親猫は大変かいがいしく世話にいそしみます。

ブリーダーの元で暮らす猫にとってこの自身で育児を行う習性を維持させる事はとても大切な事です。

しかし一度でも育児放棄を経験してしまうと次の出産においても育児放棄を当然のことと考えてしまう事もあるので、

出産時は猫と適度な距離感を保つことが重要です。

産前産後の親猫は隔離、自立生活が理想

猫は出産の数日前から産後1,2週間は飼い主からも身を隠す習性があります。

自身で安全な出産場所を見つけ、一目を避け出産をし産後数日は排泄や食事をすることもなくひたすら育児に取り組みます。

この間、無理に食事をさせたり、子猫から引き離しトイレに誘導すること、出産場所の掃除をすることは母猫を刺激する行為になり大変危険です。

刺激を受けた母猫は子猫を噛み殺したり、育児放棄をするようになります。

猫の出産が近づいた時は、猫を安全な部屋に隔離し、人の出入りを最低限の回数の控えるよう配慮しましょう。

ダンボールや木箱など外界からの視界を遮ることの出来る産箱を用意し室内に置いておくとスムーズに出産が進みます。

サークルなど視認性が高いものに閉じ込めたり、リビングなど人の出入りが多い場所は出産に不向きです。

安心して出産、育児が出来ることが親猫にも子猫にも最良の環境です。

出産後数日は母猫は産箱に閉じこもり、食事もトイレもせずにいることがあります。この間無理に食事を強制したり、母猫の様子を確認する必要はありません。

母猫が自ら産箱から出てきたタイミングで栄養価の高い食事を与え様子をみておけば十分です。

子猫は生後数カ月までは母乳だけで発育できるので子猫用のフードの用意はその後で十分間に合います。

飼育放棄の場合のみブリーダーによる代理飼育

多数の猫と共同生活をしている場合やブリーダーの存在を意識しすぎてしまっている場合、母猫が出産後にまるで育児をしないことがあります。

このような場合に限り母猫が産箱を離れたタイミングで子猫を取り出し人口授乳に切り替えます。