
子犬の取引価格の低迷、ミックス犬の流行などを受け近年あえて異なる犬種を掛け合わせ新種として繁殖をする犬舎が増えています。
中でも人気犬種上位のチワワとプードルを掛け合わせた犬種はチワプーとも呼ばれ話題を集めています。このような繁殖を手掛ける際の注意点とメリットをご説明させていただきます。
チワプーを手掛けるメリットは3つ
チワワとプードルを両親として子犬を繁殖する手法は近年注目を集めています。
この背景にはプードルの急激な人気上昇に伴い無計画な繁殖や血統、本来のサイズが軽視された繁殖によって市場に出回っているプードルがトイサイズではなくミニチュアサイズに近い状態に変化しつつあることが理由です。
ペットショップでトイプードルと言われ購入したものの、成長後に7,8㎏になることも珍しくないからです。
そのような飼い主からの意見、クレームを受けより小柄な犬種を輩出するために小型のチワワと繁殖をさせるという手法が見いだされました。
このような繁殖の方法はブリーダーにもメリットがあります。
・血統証発行の必要がなく発行にかかる費用や手間を削減できる
・毛色や顔立ちで決めこまかな査定がされることなく取引が成立する
・成長後のサイズや毛色、毛質に関するクレームを回避できる
これまで純血種の繁殖や売買でブリーダーが負担と感じていた項目を簡単に解消できるとあって多くのブリーダーがあえてミックス犬の繁殖に着手し初めています。
チワプーの繁殖で注意すべきこと
チワワとプードルでは本来もつ犬種の特性、骨格、サイズ、気質全てが異なっています。
狩猟犬として輩出されたプードルと元来の愛玩犬とでは知能もまるで違います。
繁殖において注意すべき点は下記です。
・先天性疾患をもっている犬を繁殖に用いない
・母体があまりに小柄な場合は出産に危険を伴う
・無理に希少な毛色の輩出を計画しない
チワワとプードルはともに人気犬種ではありますが誕生した子犬の毛色、顔立ち、サイズにはばらつきがあり必ずしも高額な取引になる、小柄な子犬が産まれるとは限りません。
過度な期待や無計画な繁殖は売れ残りや先天性疾患を招きかえって犬舎の運営に負担を招きます。
一過性のブームや市場の動向に惑わされることの無い様に自信の方針を貫く姿勢も重要です。
ブームはあくまでも一過性と理解する
チワワとプードルのようにあえて別犬種を交配させ話題性を集め高額で売買をするという手法はこれまでも数多くみられました。
有名な組み合わせには以下があります。
・ダックスとチワワ
・柴犬とコーギー
・マルチーズとチワワ
・パピヨンやチンとチワワ
日本は住宅事情や散歩の手間の都合もありより小型な犬を求める傾向が高まっています。
本来新犬種の輩出には数十年もの期間を必要としますが、ミックス犬として両親の一方にチワワを取り入れる手法であれば安易に小型犬種を輩出することが可能と考えられています。
しかしこのような繁殖で先天性疾患の多発、短命、奇形など様々な問題が生じることも明らかになっています。
このような繁殖はあくまでも一過性のブームであり今後いつこの流れが途切れるかもしれないというリスクを十分に理解しておく必要があります。