購入前の 健康診断をブリーダーが必須化出来ない3つの理由

ペットショップのプライスカードには健康診断済、健康チェック済という記載がされていることがあります。実は子犬や子猫を販売する前の事前健康診断が法的な義務ではなく、販売者が品質管理、クレーム回避のために独自で取り入れているルールにすぎません。

ブリーダーとの直接取引が増える中で、実はこの点はお互いの考えに相違が起こりがちです。ブリーダーがなぜ健康診断を必須化しないのか、なぜあえて実施しないのかを考えておきましょう。

生後間もない子犬や子猫の健康状態は不安定

一般的に販売前の健康診断と言えば視診、触診、聴診に加え検便です。血液検査やレントゲンなどの精密検査は行いません。

この理由は子犬や子猫はまだまだ免疫力が不完全な上に、発育も著しく一度の検査では正確な結果を出せないこと、必ずしも確定出来る結果とは限らないためです。

つまり検査で異常なしと判定が出た場合でも、その後の発育と共に状況が変化して異常と言える症状が出ることもあるのです。

健康診断にかかる費用の負担者が曖昧になりがち

動物病院で健康診断を受ける場合、5000~10000円前後の費用がかかります。受診後販売が確定している場合、つまりはブリーダー自身が今後飼育を継続しない場合でも初診料も発生します。これらの費用の負担をブリーダーが背負うのか、購入者が背負うのかも業界の慣習としては明確かされていません。

ここ数年で子犬、子猫の買い取り価格は下落する一方です。多くのブリーダーは赤字経営を続けています。そのような中で、結果が確実とは言えない事をわかったうえで健康診断を行い、費用を負担することにブリーダーが消極的になってしまうこともいたしかたないとも言えるでしょう。

ただブリーダーの中には、購入者が費用を負担することを条件に、引き取り前の健康診断を行う方もいます。この場合、健康診断の結果に関わらず、購入者は費用を負担します。しかし結果を見たうえで購入を見送ることはもちろん可能です。

はじめて犬猫を飼うという方、犬猫の健康状態に不安があるという方は自身で費用負担をすることを前提条件にブリーダーに健康診断を依頼するという方法も検討してみましょう。

健康という定義が曖昧なため

実は犬猫の健康診断という言葉はとても難しい表現です。健康という定義自体が非常にあいまいで、犬猫のプロであるブリーダーと一般の飼い主とでは健康に関する概念も異なります。

プロであれば生活に支障がないといえる程度の症状でも、初めて犬猫を飼う方であれば不安を感じてしまうこともあるでしょう。獣医師の下す診断は、あくまでも検査結果であり、今後病気をしない、異常が発生しないという保証ではありません。この点は販売時にたびたびお互いの意見や認識のずれが生じやすい点です。販売時、引き渡しはあくまでも現状で生活に支障がない、ブリーダー目線で見た場合の健康であることが基準とされるので、お互いにしっかりと話し合い、疑問点がある場合は事前に解消をしておきましょう。

基本的には犬猫の購入は生き物ですからブリーダーからの引き取り後は返品が出来ません。生涯飼育の責任が生じることをしっかりと念頭においておきましょう。